日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)に新たな疑惑が浮上した。強化指定選手に関する強化費、計720万円が、指導実態のない栄監督の妻である後藤優子さん(仮名)に支払われていたことが「週刊文春」の取材によって明らかになった。

有望選手は世界選手権などの成績に応じ、JOCの強化指定選手に選ばれる。2012年までは選手1人につき、コーチとして2人の専任強化スタッフが登録され、日本スポーツ振興センター(JSC)を通じ助成金が支払われていた。専任強化スタッフは選手のスポーツ活動に対して日常的な指導等を行う者に限られていた。

栄氏は前妻と離婚後、08年に19歳年下で、中京女子大の教え子だった後藤氏と再婚。JSCのデータベースで確認すると、少なくとも07年から12年までの6年間にわたり、毎年120万円ずつ合計720万円の助成金が後藤氏に支払われていた。

「私は、優子さんの指導を受けたことは一切ありません。強化指定選手自らがコーチを選ぶことはありませんが、優子さんがスタッフだったことを初めて知りました。それは栄監督が決めていることだと思います」

08年から後藤氏は、吉田沙保里の強化スタッフとして登録されている。後藤氏と、3歳年下の吉田はプライベートで極めて親密な間柄で知られている。

「8年前から栄夫妻と吉田は、同じマンションの隣同士の部屋で暮らしています。ただ、優子さんが吉田を指導している姿を見たことがありません。そもそも引退後、高校教員だった優子さんが技術面で金メダリストに教えられることはないでしょう」(同前)

栄氏に至学館大学を通じて取材を申し込んだが、期限までに回答はなかった。3月22日(木)発売の「週刊文春」では栄氏の金銭を巡る疑惑に加え、谷岡郁子至学館大学長(63)の訴訟トラブルや、参院議員時代の選挙違反事件についても詳報している。

また「週刊文春デジタル」では、栄氏からのパワハラ被害を受けた教え子の〈告白動画〉を3月22日(木)朝5時より公開する。